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NPO法人 ペット防災サポート協会

東日本大震災から始まった「ペット防災サポート協会」のこと

   


皆さんこんにちは。NPO法人 ペット防災サポート協会の三浦律子です。
今月の11日、東日本大震災からちょうど10年が経ちました。
震災で被害にあわれた皆様方には、心よりお見舞い申し上げると共に、震災で亡くなった皆様、ご遺族の方々には心よりお悔み申し上げると共に、深く哀悼の意を捧げます。

この大震災は、私たちが「ペットと防災」について考えるきっかけともなりました。
今回は、そのことについてお伝えしてまいります。

①「ペットと防災」を考えるきっかけとなった東日本大震災

実際にどういう事例があったのか、具体例

東日本大震災は未曾有の災害と当時はよく言われましたが、メディアから流れる情報も、はじめはペット情報があまり出ていなかったように思います。
「人の避難も大変な状況でペットと飼い主さんはどうなるのだろう?」 それが私のペット防災について考えるきっかけでした。少ししてから福島の方では、置き去りにされた家畜の存在、後で帰ってこれるからと繋いだままの飼い犬、野生化してしまったペットの様子を知る事になりました。

「トリミングサロンをして、飼い主さんとワンちゃんのお陰で生活できている自分に何ができるのだろうか?」
「これ以上悲しむ人やペットを増やしたくない」という気持ちになりました。もっと現状を知ることが大切だと思いました。でも、現地の様子をただ見守るだけの毎日、物資を送りたいけど、どこへどうしたらいいか分からず少ない募金をすることしか出来ないもどかしい日々を過ごしました。

その後、震災から5年も経過した気仙沼市をやっと訪れることができ、ガイドさんから案内して頂く機会がありました。様々お話を聞いていく中で、私はペットの事を質問しました。
ガイドさんからは
「申し訳ないけれどペットの事は皆無で、人も行方不明者が多い中、飼い主さんはペットの事を言えないような状況や雰囲気だったと察します 」 とお話がありました。確かにその通りだと感じました。

その後、仮設住宅や復興住宅を案内して頂き、そこでペット連れの飼い主さんの生活しづらさを痛感しました。災害に遭って被災し、それでもこれからの人生を生きていかないという現状を見て胸が痛みました。
そこで、飼い主さん自身が命を守り備えること、ペットを含めた家族を守ること。このように学んだことを私はたくさんの方に伝えなければと感じました。

②環境省の「人とペットの災害対策ガイドライン」について

東日本大震災から始まった「ペット防災サポート協会」のこと

環境省は東日本大震災を受けて、2013年に 「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を作成しました。 これは、災害時に飼い主責任によるペット同行避難をする、つまりペットと一緒に避難をしてくださいということを国が明言しました。ペットを置いて逃げることによって生じた東日本大震災の教訓からこのような事が発信されました。また、個人での対応には限界がある場合に備えて自治体による支援対策や、放浪動物、負傷動物等の救護体制を整備もしておくという内容もありました。

それから、その後2016年に熊本地震が起きてしまいました。その時、このガイドラインが生かされず、避難所などでは混乱が起きてしまい、ペットの事が人の問題として大いに関係しているとはっきり分かってきた のです。

そこで2018年に「人とペットの災害対策ガイドライン」 として主に自治体向けと一般の飼い主さん向けにもわかりやすくガイドラインが作られました。
環境省から出されているガイドラインなどは詳しくてわかりやすく書かれています。フローチャートなどもあり個々で気付く、参考になるページもあります。今までの災害記録集なども是非ご覧頂きたいです。過去の経験から学べることはとても多いので一度はご覧ください。

環境省のページはこちら


自助というのはこういった情報から得ることからはじまると思います。今は新型コロナウィルス感染症もあり、さまざまな避難の仕方を飼い主さん自身が考えておき、決めておくことが大切です。
避難所は命を守るためにとりあえず逃げるところですが、たくさんの人が押し寄せるので、ペットと過ごせる場所が確保できるとは限りません。 皆さんが住んでいる地域にも違いがあることから、これもご自身で確認したり、計画を立てておく必要があるわけです。

私は熊本地震や、西日本豪雨災害の時も現地で学ばせて頂きました。のちに大型台風、大阪北部地震、西日本豪雨災害など数年間で起きた大災害にも人とペットの避難所問題を見てきました。
ペット同行避難を知らない人が行政や避難所運営者、飼い主さんにもまだまだたくさんおられます。
ペットを連れて来たのに入れてもらえないという現実、ペットと一緒にいられないなら、避難しませんと家にいて逃げ遅れの原因になること。 ペットを飼っている、飼っていないに関わらず、人の命を守るためにペット防災があると私は思います。
飼い主さんはまず自分の命を守ること。そして、ペットの愛護だけではまわりの理解を得られませんので、普段からの飼い方や地域との関わり方が非常に大切です。

今は分散避難といって避難所だけに限らず、第2、第3候補まで逃げる場所を決めておくこと も考えておきましょう。家族との連絡方法や生活をどうやって立て直していくかの計画が必要ではないでしょうか?これからも起こるであろう災害に向けて心の準備、逃げる計画、物の準備を後回しにせず、今すぐ行動してみましょう。

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